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生成AIの社内ガイドラインの作り方|公的機関の公開ひな形8本と盛り込む9項目【2026年11月】

生成AIの社内ガイドラインの作り方を、公開されているひな形・ガイドライン8本(JDLA第1.1版、IPA、東京都、AI事業者ガイドライン第1.2版、デジタル庁DS-920第2.0版、申合せ、個人情報保護委員会)の項目から示します。骨組みはJDLAのひな形、入力制限と生成物の確認はIPA、対外利用時の表示は東京都の手引きの書き方で、盛り込む項目は9つです。法律の助言は書かず、各文書の版と公開日を表にしています。

更新公式ページの確認日 2026年11月6日AIツール料金表 編集部

机の上の MacBook Pro
写真: NordWood Themes(Unsplash)

生成AIの社内ガイドラインの作り方は、JDLA(日本ディープラーニング協会)の「生成AIの利用ガイドライン」第1.1版のひな形を骨組みにし、IPAの「記載すべき項目」で入力制限と生成物の確認を足し、対外利用時の表示は東京都の手引きの書き方を写す、が編集部の結論です。公開文書を突き合わせると、盛り込む項目は「目的と対象サービス」「禁止用途」「入力してはいけない情報」「生成物の確認」「対外利用時の明示」「利用環境と承認手続き」「教育」「相談窓口と責任者」「見直し」の9つに収まります。 AI事業者ガイドライン(総務省・経済産業省、第1.2版・2026年3月31日)とデジタル庁のDS-920(第2.0版・2026年6月12日決定)は政府・事業者全体の枠組みで、社内ルールの文言はJDLA・IPA・東京都の3本から取るのが早道です。法律の解釈は書かず、各文書が公開している項目と版・日付だけを表にします。

生成AIの社内ガイドラインの土台になる公開文書(版・公開日) の基本データ更新日 2026年11月6日

公式情報
文書発行版・公開日形読む場所
生成AIの利用ガイドライン【条項のみ】日本ディープラーニング協会(JDLA)第1.1版(2023年10月公開。第1版は2023年5月。画像編 第1版は2024年2月)Word形式のひな形(【】を自社の名前・サービス・禁止用途で埋める)https://www.jdla.org/document/
テキスト生成AIの導入・運用ガイドラインIPA 産業サイバーセキュリティセンター 中核人材育成プログラム 卒業プロジェクト2024年7月31日公開(最終更新日 2024年7月31日)PDF(第4章 4.1.2「利活用ガイドラインに記載すべき項目」、4.2「ユーザへの教育」)https://www.ipa.go.jp/jinzai/ics/core_human_resource/final_project/2024/generative-ai-guideline.html
AI事業者ガイドライン総務省・経済産業省第1.2版(令和8年3月31日公表。第1.1版は令和7年3月28日)本編・別添・チェックリスト(別添7)・ワークシート。「共通の指針」10項目、第5部 AI利用者に関する事項https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/02ryutsu20_04000019.html
行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(DS-920)デジタル庁(デジタル社会推進会議幹事会決定)初版 2025年5月27日、第2.0版 2026年6月12日決定(2026年9月1日施行)PDF。別紙2「生成AIシステムの利活用ルールひな形」(府省庁向け。地方公共団体も参考にすることを期待)https://www.digital.go.jp/resources/standard_guidelines
ChatGPT等の生成AIの業務利用に関する申合せデジタル社会推進会議幹事会第2.1版 2025年3月25日(初版 2023年5月8日、第2版 2023年9月15日)PDF。ChatGPTを「約款型クラウドサービス」に区分し、要機密情報を扱わないこと・組織の承認手続きを周知https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/debd5eca-6832-406e-a530-4e98ec032133/c60c5872/20250325_meeting_executive_agreement_07.pdf
東京都AI導入・活用ガイドラインに基づく生成AI利用の手引き東京都デジタルサービス局Version 1.0(令和8年3月30日 初版発行)PDF 22ページ。「利用にあたっての約束事」と「利用時のチェックポイント」4点、「生成AIにより作成」の表示例https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/digitalservice/ai_guideline_03
東京都AI導入・活用ガイドライン東京都デジタルサービス局令和8年(2026年)3月PDF。「6つの留意すべき事項」(透明性・公平性・安全性・プライバシー・セキュリティ・アカウンタビリティ)と著作権https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/ict/pdf/ai_guideline.pdf
生成AIサービスの利用に関する注意喚起等個人情報保護委員会令和5年6月2日PDF。個人情報取扱事業者・行政機関等・一般の利用者の3区分の注意点https://www.ppc.go.jp/news/press/2023/230602kouhou/
適用範囲各文書の名称・版・公開日・公開されている構成を、公開ページとファイルの表示から記録したものです。文書の法的な解釈や、自社への適用の可否は記録していません。

出典:

公開されている生成AIガイドラインのひな形は、どれを土台にするか

文書 向いている組織 使い方
JDLA 生成AIの利用ガイドライン 第1.1版(2023年10月) ChatGPTなど外部サービスを社員が業務で使う会社 【】の空欄を自社名・対象サービス・禁止用途で埋める。Word形式で配布できる
IPA テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン(2024年7月31日) 導入・運用・セキュリティの担当が分かれている会社 第4章「利活用ガイドラインに記載すべき項目」を項目の抜け漏れの確認に使う
東京都 生成AI利用の手引き Version 1.0(2026年3月30日) 全職員向けに短い資料にしたい組織 「利用時のチェックポイント」4点と「生成AIにより作成」の表示例を写す
AI事業者ガイドライン 第1.2版(2026年3月31日) AIを組み込んだ製品・サービスを提供する会社 「共通の指針」10項目とチェックリスト(別添7)で自社の方針文を点検する
デジタル庁 DS-920 第2.0版(2026年6月12日決定) 行政機関・自治体・独立行政法人 別紙2「生成AIシステムの利活用ルールひな形」。地方公共団体も参考にすることを期待すると書かれている

JDLAのひな形は「1 目的」「2 対象とする生成AI」「3 利用が禁止される用途」「4 構成」「5 データ入力に際して注意すべき事項」「6 生成物を利用するに際して注意すべき事項」の6章で、Wordファイル(約24KB)です。公開日は第1版が2023年5月、第1.1版が2023年10月で、画像編(第1版)が2024年2月に追加されています。東京都の手引きも「JDLAの生成AIの利用ガイドラインも参考にしてください」と書いています。

社内ガイドラインに盛り込む9項目は、どの公開文書に書かれているか

公開文書の項目を並べると、社内ガイドラインに要る項目は9つになります。○はその文書に該当する記述があるもの、—は編集部が該当箇所を確かめられなかったものです。

盛り込む項目 JDLA 1.1版 IPA 4.1.2 東京都 手引き AI事業者GL 第5部(利用者) DS-920 別紙2
目的と対象サービスの名前 ○(1・2) ○ ○(許可を受けたツール) — ○
禁止する用途・業務 ○(3) ○(利用制限) ○(許可されていない生成AI) — ○(要機密情報を扱わない)
入力してはいけない情報 ○(5:6類型) ○(3類型) ○(機密性の高い情報) ○(U-4・U-5) ○(要機密情報・個人情報)
生成物の確認(誤り・権利侵害) ○(6) ○(ハルシネーション・バイアス・権利侵害) ○(根拠の確認・著作権) ○(U-2) ○(AI生成物利活用のルール)
対外利用時の明示 ○(ポリシー上の明示) ○(引用元の注釈) ○(「生成AIにより作成」) ○(U-6・U-7) —
利用環境と承認手続き ○(セキュリティ部門へ問い合わせ) — ○(私物端末禁止・許可制) — ○(約款型は許可を得る)
教育 — ○(4.2) — — —
相談窓口・責任者 ○(セキュリティ部門) — ○(AIワンストップ相談窓口) ○(問合せ窓口) ○(情報セキュリティ責任者)
見直しの時期 — ○(4.4 評価とフィードバック) ○(改定履歴・適宜見直し) — —

入力してはいけない情報:3本の文書の違い

JDLAのひな形は入力に注意するデータを6類型(第三者の著作物、登録商標・意匠、著名人の顔写真や氏名、個人情報、NDAで開示された秘密情報、自組織の機密情報)に分け、個人情報・秘密情報・機密情報は「入力しないでください」と書きます。IPAは「著作権保護情報・個人情報・組織の機密情報」の3つを入力制限が推奨される情報とし、東京都の手引きは「個人情報等、機密性の高い情報の取扱いには細心の注意を払うこと」を4つのチェックポイントの1番目に置きます。

個人情報保護委員会(2023年6月2日)は、個人データを含むプロンプトを入力する場合に、提供事業者が機械学習に利用しないこと等を確認するよう事業者に求めています。自社のガイドラインでは、JDLAの6類型を表にし、個人データについては「学習に使われない契約・設定のサービスに限る」か「入力しない」のどちらかを明記する形になります。東京都のAI導入・活用ガイドラインも、セキュリティの対応の方向性に「入力データが学習に使われない設定(オプトアウト)」を挙げています。

生成物の確認:何を確かめさせるか

JDLAは生成物について「虚偽が含まれる可能性」「他人の権利を侵害する可能性(著作権・商標権・意匠権、虚偽の個人情報・名誉毀損)」「著作権が発生しない可能性」「商用利用できない可能性」「サービスのポリシー上の制限」の5点を挙げます。IPAは生成物の誤り(ハルシネーション)と偏り(バイアス)の確認、引用元の注釈、著作権、商用利用の制限、権利侵害の確認を列挙します。東京都は「根拠や裏付けを必ず確認」「著作権保護の観点からプロンプト入力内容と生成物を確認」「対外的に使用する場合は『生成AIにより作成』等と明記」の3点です。

自社の使い方なら、どの文書を土台にするか

自社の条件 土台にする文書 足す文書
社員がChatGPTなど外部サービスを業務で使う(約款に同意して使う形) JDLA 第1.1版(ひな形をそのまま埋める) 東京都 手引き(チェックポイント4点・表示例)、個人情報保護委員会の注意点
導入担当・運用担当・セキュリティ担当が分かれている、またはRAGや社内データ連携を組む IPA ガイドライン第3〜5章(導入・運用・リスク管理の担当者別) JDLA 第1.1版(社員向けの文言)
自社の製品・サービスにAIを組み込んで顧客に提供する AI事業者ガイドライン 第1.2版(第4部 AI提供者、チェックリスト別添7) JDLA 第1.1版(社内利用の部分)
行政機関・自治体 デジタル庁 DS-920 第2.0版 別紙2 申合せ 第2.1版(ChatGPTを約款型クラウドサービスに区分)

作る順番は、JDLAのひな形の【】を埋める→入力禁止情報の6類型と生成物の確認5点を表にしてIPA 4.1.2で抜けを確かめる→対外利用時の表示文と承認手続きを決める→改定履歴の欄を作って制定日を入れる、です。IPAは利活用ガイドラインの普及をeラーニングで定期的に行うことを挙げています。社員にChatGPTを配る順番と研修の組み方は、ChatGPTを社内導入する手順にまとめています。

このガイドラインの作り方が向かない組織

  • 自社でAIモデルを開発・学習させている会社。AI事業者ガイドライン第3部「AI開発者に関する事項」が別に要ります
  • 医療・金融など、個別の法令・監督指針が先に立つ業種。公開ひな形は共通部分だけで、業法の確認を先に置くことになります

ガイドラインを配ったあとの研修を法人で組むなら、生成AI研修(法人)の費用比較で1日講座と10時間研修の費用、助成金の対象になる条件を比べてから選びます。

出典

よくある質問

生成AIの社内ガイドラインは、何を土台に作ればよいですか?

社員がChatGPTなど外部のサービスを業務で使う会社なら、日本ディープラーニング協会(JDLA)の「生成AIの利用ガイドライン」第1.1版(2023年10月公開)のWordのひな形を土台にします。【】の空欄を自社名・対象サービス・禁止用途で埋める作りで、入力に注意するデータ6類型と生成物の注意5点が条項になっています。

生成AIのガイドラインに盛り込む項目は何ですか?

公開文書を突き合わせると9項目です。目的と対象サービス、禁止する用途、入力してはいけない情報、生成物の確認(誤り・権利侵害)、対外利用時の明示、利用環境と承認手続き、教育、相談窓口と責任者、見直しの時期です。

生成AIに入力してはいけない情報は、公開文書ではどう書かれていますか?

JDLAのひな形は、個人情報・秘密保持契約で開示された秘密情報・自組織の機密情報を「入力しないでください」とし、第三者の著作物・登録商標や意匠・著名人の顔写真や氏名を注意するデータに挙げます。IPAは著作権保護情報・個人情報・組織の機密情報の3つを入力制限が推奨される情報としています。

AI事業者ガイドラインは社内ガイドラインに使えますか?

総務省・経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版(2026年3月31日公表)は、AI開発者・提供者・利用者の枠組みで、社内ルールの条文のひな形ではありません。「共通の指針」10項目とチェックリスト(別添7)で自社の方針文を点検する使い方になります。

この記事の更新

  • 2026年11月6日初版を公開(公開文書8本の版・公開日・項目を確認)

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